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2018.11.16

吉田羊さんに聞く! 理想の“母親”と家族のかたち 前編

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吉田羊さんに聞く! 理想の“母親”と家族のかたち 前編

ネグレクトをする母親・光子を演じて。

女優として、第一線で活躍する吉田羊さん。シリアスな役柄からコミカルな役柄まで見事に演じ分け、まさにカメレオン女優という感じよね! そんな吉田さんの出演映画「母さんがどんなに僕を嫌いでも」(11月16日公開)。母の愛を求め、向き合おうとする息子とその母親の物語だそうよ。

映画では、ネグレクトをする母親・光子を演じた吉田さん。子どもに手を上げ、罵倒するシーンは衝撃的ですらあったけれど、吉田さんは、どんな思いで光子を演じたのかしら? 私自身、子どもを育てる母親として考えさせられる作品だから、気になるわ! さっそく、吉田さんに聞いてみましょう。

今月のお客さん
女優

女優

吉田 羊さん

福岡県出身。1997年より主に舞台での活動を経て、映画・ドラマに活躍の場を広げる。2015年に「映画 ビリギャル」で、第39回日本アカデミー賞優秀助演女優賞を受賞。さらに、同年に活躍した女優として第40回報知映画賞助演女優賞、第58回ブルーリボン賞助演女優賞を受賞。2016年に「嫌な女」で映画初主演、2018年には「ラブ×ドック」で映画単独初主演を果たす。その他、映画「コーヒーが冷めないうちに」「ハナレイ・ベイ」などにも出演。

http://hahaboku-movie.jp/

「母さんがどんなに僕を嫌いでも」、さっそく観たわ! ひとりの母親として、いろいろなことを考えさせられたし、吉田さんの演技も本当に圧巻! どのような役作りをしたの?

リハーサル中も休憩中も、とにかく吉田羊に戻らないように努めました。そもそも、「どう演じるべきか」という意識でさえ、光子さんではなく、私自身の意識です。そのため演じるという意識を取り払い、息子のタイジを演じた太賀くんとも、会話をしないように心掛けていましたね。タイジの言葉を受け、自然とわき上がってくるテンションやリアクションに、身を委ねたようなイメージです。

お母さん

お母さん

とても張り詰めた思いの中、演じられていたのね……。最初に台本を読んだ段階から、そのような意識でいたの? 初めて、この物語に触れたときの思いも知りたいわ。

吉田 羊さん

台本はもちろん、歌川たいじさんが書かれた原作も読みましたが、ネグレクトという重い題材を扱っているにも関わらず、とても軽やかで、愛情に満ちた作品だと感じました。ただ、ネグレクトという光子さんの行動に関しては、どうしても理解できなかった。歌川さんから、お母さまについて伺う機会をいただきましたが、お話を聞けば聞くほど、自分の理解から遠く離れてしまって。

お母さん

お母さん

私も映画を観ながら、「どうしてこんなひどいことを!」と思っていたわ。そうした戸惑いがあった中、光子という役を演じ切れた理由は、何だったのかしら?

監督の「デコボコで、不完全なまま演じてください」というひと言が、大きな支えになりました。この言葉のおかげで、「虐待をしてしまう光子さん自身も、“母親とはどうあるべきか”がわからない。わからないまま、もがきながら生きていたんだ」ということに気づいたんです。わからないことへの戸惑いは、私も光子も一緒。「私の戸惑いと光子さんの戸惑いは、きっと、どこかでリンクするはず」。そう願いながら、役に挑みました。

お母さん

お母さん

「光子自身も、母親とはどうあるべきかが分からない」。とても心に染みる言葉ね……。私もカッとなって子どもに手を上げそうになったり、必要以上に強く叱ってしまったり。子育てに戸惑うことがあるの。

思い返してみれば、私自身の母親も、迷いながら、もがきながら、子育てをしてきた人だったのかもしれません。というのも、私の母は幼少期に両親を亡くし、お手本になるべき母親像を知らずに育った人なんです。母は、「私はダメな母親だったね」と、よく言っていました。この言葉の裏には、子育てへの戸惑いがあったのだと思います。

お母さん

お母さん

ダメな母親だなんて……! お母さん自身はそう言っていても、吉田さんにとってはきっと、素敵なお母さんなはずだわ。

吉田 羊さん

そうです。私や兄弟が、冗談めかしに「あのとき、お母さんはこんなドジをしたよね」なんて思い出話をすると、母は自分の不出来を指摘されたと思い、ネガティブにとらえていたようなんですね。けれどこの言葉は、母が懸命に、私たちを育ててくれたことの証だと思っています。懸命だったからこそ、いつになっても、自分を省みるような言葉が出てくる。それくらい必死に、大切に、私たちを育ててくれました。本当に、最高の母親です。

お母さん

お母さん

私もいつかそうと言ってもらえるように、懸命に向き合わなくちゃいけないわね! ちなみに吉田さんにとって、もっとも思い出深いお母さんの言葉って、どんな言葉なのかしら?

電話口から聞く、母の「元気?」という言葉でしょうか。ときどき電話をかけてきては何を話すでもなく、私の調子を聞いてくれました。たとえ疲れていても、母に心配はかけたくないし、弱音は吐きたくありません。強がって「元気よ」と答えても、母はすぐに私の虚勢に気づきます。「元気だよ」というトーンの奥に、何かを察するのでしょうね。

お母さん

お母さん

さすがお母さん! 声のトーンから調子を察するって、母親だからこそ、できることよね。

そうですよね、母だからこそだと思います。私の声から疲れを察すると、毎度のように「疲れたら、いつでも帰っておいで」と言ってくれました。母とこうしたやり取りをするたびに「私には良い意味での逃げ場があるんだ」と、安心できましたし、頑張る力をもらいました。何気ない会話からも、母は私を支えてくれていたんです。

お母さん

お母さん

吉田さんのお話を聞いていたら、私も自分の母親の声が聞きたくなってしまったわ。吉田さんの家族のお話も、映画のお話も、もっと聞きたいわ! すぐにお茶のおかわりを淹れてくるから、もう少しだけおしゃべりしましょう!

【前編のまとめ】

「光子さん自身も、母親とはどうあるべきかがわからない」。この言葉には、本当に共感してしまったわ。そして、吉田さん自身のお母さんについてのお話も、とっても印象的。母親だってひとりの人間だもの。誰もが悩み、模索しながら、子育てをしていくのよね……。
なんて、つい物思いにふけってしまったわ! 吉田さんにもっとお話が聞きたいし、映画に登場する料理のエピソードも気になるのよね♪ 後編でも、興味深いお話がたくさん聞けるはずよ!

【出演作品情報】

「母さんがどんなに僕を嫌いでも」

11月16日(金)より 新宿ピカデリー、シネスイッチ銀座、 イオンシネマほか全国公開
出演:太賀、吉田 羊、森崎ウィン、白石隼也、秋月三佳、小山春朋、斉藤陽一郎、おかやまはじめ、木野 花
監督:御法川修
(C)2018「母さんがどんなに僕を嫌いでも」製作委員会

 

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